One Point News_vol.16

発行:2015年10月
Contents

■ 巻頭言「知るやるとは大違いの実感
経営上の諸問題を考える「販路開拓」
現場に役立つ豆知識「いま大切なコトづくりと価格戦略」
■ コンサル余話「峠の釜めしに始まったコンサル稼業」

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40歳、社長業7年

私も早40歳、社長業7年目に突入した。私はいわゆる社長の息子で、先代社長が急逝する半年前に異業種から当社に入社し、半年後に急遽社長に登板した。早7年目、諸先輩方から聞かされてはいたが、歳と共に時間経過が速くなるというのは本当の事だと実感している。
引き継いだ当初は「33年間続いた会社、人も仕組みもある程度整っている」という心づもりであったが、1年2年と時間を経るにつれ実態把握が進み、課題山積であることに頭を悩ませるようになる。その頃、研修に登壇していたコンサルタントからこんな言葉を聞いた。
「後継社長は潰さない事に一生懸命になりがち、自分が思う通りやって潰れても後悔なしと思える 仕事をしなさい」
私はこの言葉をキッカケに、全ての遠慮が吹っ切れた。モットーは「思い切り楽しくやる」、抜本的な変革を始めてから無我夢中で4年、難しさも感じるが狙った事を実現する喜びはやはり大きい。
社長の想いを如何に効果的に伝え、理解してもらい行動してもらうか。
まだまだ、道程は遠いが着実に理想に向かう必要がある。
もう40歳、まだ40歳!?理想に向かうための終わりなき変革へのチャレンジはまだまだ続く。

《アムコン株式会社 代表取締役 佐々木 昌一》

経営上の諸問題を考える

テーマ:来年度のスーパーものづくり補助金について

アベノミクスの一環で平成24年度補正予算事業として予算総額1007億円、1件当たりの最大補助額 1000万円、費用の3分の2を補助、という「ものづくり補助金(ものづくり中小企業・小規模事業者 試作開発等支援補助金)」事業が平成25年3月~7月にかけて行われました。
ものづくり中小企業・小規模事業者が実施する試作品の開発や設備投資等に要する経費の一部を補助 することにより、ものづくり中小企業・小規模事業者の競争力強化を支援し、我が国製造業を支える ものづくり産業基盤の底上げを図るとともに、即効的な需要の喚起と好循環を促し、経済活性化を実現することが目的となっています。
結果は第1次公募・第2次公募合わせて9774社が採択され、平均採択率44%       (第1次公募41%、 第2次公募47%)という高採択率で終了しました。
弊社も数社申請のお手伝いをさせて頂き、おかげさまで100%の採択率となりました。
平均採択率44%はかなり高い採択率と言えますが、当初言われていた「出せば通る」と いうものでは ありません。評価をするのは審査員なので「審査員の心証をどうすれば 良くなるか」を考えて申請書 を書くことが必要になります。

当然ものづくりの補助金ですから、技術の先進性は大きな評価ポイントとなりますが、 最新技術でなくても、

・決められた記載事項が守られていること(最低限の条件だが、守られていない場合も多い)
・(ニッチ)市場ニーズが有る(創造する)ことの説明
・計画的、組織的(外部組織の活用等)な取り組みの説明
・他社とは違うユニークな取り組みおよび技術の説明
・採択されたいという熱意を持って丁寧に説明すること

等がきちんと出来ていれば審査員の心証が良くなることは間違いありません。
以前から欲しかった最新設備の購入資金として補助金を申請する企業が多いようですが、同じ設備を 導入している他社とどのような差別化ができるかを説明することが重要になります。即ち設備自体の 差別化だけではなく、設備を使ってどのようなユニークな製品・サービスが提供できるかを説明する ことが必要になります。

平成24年度補正予算事業としての「ものづくり補助金」事業は今年の7月をもって終了しましたが、 新たに平成25年度補正予算事業として「スーパーものづくり補助金」事業が創設される予定となって います。目的、支援内容は平成24年度の「ものづくり補助金」とほぼ同じと見られますが、上限補助額が現行の1000万円から2000万円に引き上げられる予定です。実施時期は未定ですが、確実に取得するには今から周到に準備をしておくことが望まれます。
monodukuri助成対象として、原材料費、機械装置費、直接人件費、
技術導入費、外注加工費等に加え、我々コンサルタントに
支払う謝金も対象になっています。
申請書の作成支援、技術支援、マネジメント支援も謝金対象
となります。

申請したいとお考えの企業様は、是非ご相談ください。

現場に役立つ豆知識

■中小企業の障害者雇用について

mamechisiki 障害者雇用の法定雇用率が本年2.0%に引上げられました。
更に、従来の身体・知的障害者に加え精神障害者も追加対象となることが厚生労働省の方針として打ち出されており、この法定雇用率は近いうちに引き上げられる見通しです。また再来年には、障害者雇用率を達成していない企業のうち、100人台の企業も新たに納付金(原則月5万円/人)支払の義務を負うことになります。
最近は中小企業における障害者雇用の遅れが顕著です。大企業の場合は、特例子会社を設立し、そこで障害者を集中的に雇用し繰り返し性の強い業務を課す、というビジネスモデルを確立していますが、中小企業にとって費用対効果等を考えると特例子会社設立のメリットは乏しく、法令順守には直接雇用が必要になってきます。
精神障害者には、先天的な障害なのにそれを理解されないまま(本人も自覚しない場合がある)普通校に進学し卒業している方も珍しくありません。
こうした障害者は身の回りのことの大半は自分でこなすことができます。また、精神障害者の中には「3度の飯より独りでこの作業をするのが好き」といった方がおられ、こうしたマニアックな気質を理解し活用することが必要と思われます。障害者の実務能力を把握する手段として、GATB(職業適性検査)、WAIS-Ⅲ(知能検査)といった客観的な検査が有りますが、一般企業ではこれらを活用するケースは必ずしも多くはないようです。こうした客観的な検査データは障害雇用に業務を課す場合においては有用で、積極的な活用が望まれます。企業には費用とみなされがちな障害者雇用ですが、雇用した場合には各種助成金制度も用意されています。
特に、特定求職者雇用開発助成金を活用し週30時間契約で雇用した場合、障害の内容により(精神障害なら重度・軽度に拘わらず)毎月10万円が2年間支給されるため、最低賃金が高い地域においても給与のほぼ満額をこの助成金から賄うことが可能になります。2年間の支給期間中に、障害者の利点を見出し、健常者では長続きしない作業(例えば、単純繰り返し作業)を集中的にやってもらうことで戦力として活用することも可能となります。
また、障害者雇用義務を負いながら障害者雇用の経験の無い中小企業が、障害者雇用に踏み切った場合は100万円が助成金として支給されます。この他にも設備投資や従業員教育等に要する費用に対する支援もあります。
今回の障害者雇用義務強化を機に、障害者の適性を理解し、費用ではなく戦力として活用することが経営者には望まれます。

コンサル余話

■中小企業の事業継承

ものづくり職場の課題解決のお手伝いやISO品質システムの審査を通して、多くの中小企業の経営者にお会いしてきました。
社長さんは創業者であれ2代目であれ、30年以上トップの立場で経営に取り組んでおられる例も多く、70歳台の方も少なくありませんでした。事業承継・後継者の問題があるようですが、なかなか進んでいないようです。
企業として、市場で一定の役割・存在感を獲得していること、また従業員も家族を含めて会社を生活基盤としていることを考えれば、経営の継続はきわめて重要な課題であり、承継は後継者の年齢やキャリアを考慮した適切なタイミングがあるのでは。
企業のそれぞれの事情があって、経営のバトンを誰に・何時・どのように渡すかについては難しい問題と思われます。
その準備として、仕事のしくみの透明化や役割分担の明確化などによりトップの細かい指示がなくとも会社が一定のスピードで動くようになっていることは勿論のことですが、後継者のための一定の助走期間も必要です。
jigyoshokei私がお会いしたケースでは、息子さん(専務)が会議の中である課題に対して自らの考えを含めて会社幹部に指示を出しているところを、お父さん(社長)が側でうなずきながら嬉しそうな表情で聞いていました。
なんともほほえましくかつ頼もしく見えました。
早めのバトンタッチを考えているとのことでした。(H.A)

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